女性の本能は、チームのリーダー、お金持ち、権力者などコミュニティにおける高い地位にいる男性を望むようにできている、そしてそれによって現在の若い男性はモテる上級国民とモテない下級国民に分断されているというのが今回の話です。
2019年は池袋の飯塚元院長の事件で上級国民という言葉が話題になりました。
その事件に乗っかってタイトルを付けたであろう「上級国民/下級国民」という本が事件の後に発売されたのですが、その中のモテ/非モテに関しての話が興味深かったのでご紹介します。
概要 上級国民/下級国民のモテ/非モテの話の部分
上級国民/下級国民は全3章からなる本ですが、そのうちの第2章がモテ/非モテに関する話になっています。
まず話の最初に、SSP(階層と社会意識全国調査)という社会調査で、幸福度や満足度など本人が社会生活においてどのような意識を持っているかというのを幅広い年齢や性別、学歴の方を対象に調べています。
この調査の中で、若年の男性は学歴に関わらず幸福度が低いこと、女性の方が男性よりも現状に満足し幸福であることが分かりました。
若い男性の幸福度が低いのは、モテる上級国民が女性を独占しているため、女が回ってこない多数派の下級国民の幸福度が下がっているのが理由です。
女性の方が男性よりも幸福度が高いのは、エロス資本によるものと、上級国民による女性独占は、女性にとってメリットが大きいため、というのが理由です。
それぞれ詳しく見ていきます。
男性より女性の方が幸福度が高い理由
先に女性の幸福度が高い理由について述べておきます。
これはエロス資本と呼ばれる考え方に由来するのではないのか、というのが筆者の一つの答えです。
男女のモテる要素は構造的に大きく異なり、男性はコミュニティ内の地位、言い換えれば金と権力ですが、一方の女性は若さが最大の要因です。
女性はこの若さと性をお金に換えることができる、というのがキャサリン・ハキムという学者が示したエロス資本(エロティック・キャピタル)という考え方です。
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これは若い女性が会社や学校内でもてはやされる事や、飲み会でもおごってもらえるというソフトなところから、アイドル、グラビア、レースクイーン、ギャラ飲み、JKリフレ、パパ活、キャバクラ、性風俗で稼げるというように具体的に女性としての性を利用してマネタイズしている例まですべて含めます。
そして自分にそれだけの価値があることを自覚しているからこそ、何も持っていない同じ年代の男性よりも幸福度が高いのでは、というのが本書での推測でした。
もう一つの理由として、現在男性はモテる上級国民とモテない下級国民に分かれていて、モテる男が女性をほぼ独占状態というふうになっているのですが、これは女性からすればモテる男に自分がくっつける世界なので、モテない男とくっつくよりは満足度は上がるよね、という話です。
逆に男性側は多数派であるモテない男たちの幸福度が下がるので全体としても幸福度が下がる結果が出ています。
若年男性の幸福度が低い理由
こちらがメインでご紹介したかったお話です。
若年男性の幸福度が低い理由としては、1.「モテる」ことと「カネ/権力を持っている」ことが一致し、「モテない」ことと「カネ/権力を持っていない」ことが一致していることと、2.女性がモテない男性に回ってこなくなったことが原因だと考えられます。
1.モテとカネ/権力が一致していること
男性のモテの構造として、コミュニティ内での地位が高いほどモテるようになっています。
現代社会ではそれは権力とカネということになります。
そしてそれを両方持っている男性というのは、ビジネスで成功している人間、チーム内でリーダーのような立場にある人間など少数派です。
女性は本能的にそのような高い地位にいる社会的に強い男性にひかれるようになっているのです。
2.モテない男性に女が回ってこなくなったこと
過去にはモテない状態の人間にもきちんと女性が回ってきていました。
それがお見合い結婚という制度です。
しかし現在はお見合い結婚はほぼなくなり、代わりに実質的な一夫多妻制のようになっています。
というのも男性の未婚率はどんどん上がって行っています。つまり生涯独身の男性が増えています。一方で女性の未婚率というのはそこまで上がっていません。
男女の数が同じぐらいだとすると、男性の未婚率が上がったのであれば女性も上がらなければおかしいはずです。
これの答えとして、一部の男性が複数の女性と結婚している、ということが推測されます。
つまり一部のモテる男性が、結婚して離婚してまた(若い)未婚の女性と結婚する、一方で女性は離婚した後は再婚しない、という流れであれば未婚率の差は説明できます。
これはモテる男が実質的に一夫多妻制を行い、モテない男に分配されるはずだった女性を奪っている形になっています。
このような状況なので、少数派のモテの幸福度は上がっても、多数派の非モテの幸福度が下がってしまっているため、総じて幸福度が低くなっていることがうかがえます。
この本自体は世の中はあらゆる場所・ことで上級と下級に分断されているよ、というのが話の趣旨で、ここで紹介した内容は日本国内の若い男性はモテる男が上級国民、モテない男が下級国民に分断されているという形になっています。
他の話も面白いので良かったら購入して読んでみてください。
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ちなみに実質的一夫多妻制はモテる男性だけでなく、女性にもメリットがあります。
モテない男性と結婚するぐらいなら、モテる男性の2番目の方がいいと考える女性が多数いるためです。
これは一夫多妻制を実際に法律で合法としている中東やアフリカの国を見ればわかりますが、有力な男性は多数の女性と結婚しているのが普通です。
要はそれらの国は一夫一妻も含んでいるので、2番目が嫌なら女性は他の男性と結婚できますが、そうせずにモテる男性と結婚する女性が多いことをこの例が証明しています。
年収400万円の男性の1人目の妻になるのと、年収1億円の男性の2番目の妻になるのでは後者を望む人の方が多いというのはなんとなく想像できますが、現在の日本やその他先進国では先述した流れができているということです。
ただ実際に上級国民になろうとするとビジネスで成功したり、エリートサラリーマンになったりする必要があるのでなかなか難しいですが、モテに関してであれば意識して上位の男性のフリをすることでなんとでもなります。
詳しくは以下のページを参照してみてください。
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