ナンパのバイブルとして世界的にベストセラーになっている「ザ・ゲーム(THE GAME)」、その著者として知られるニール・ストラウスとはどのような人なのかについてです。
ニール・ダロウ・ストラウス(Neil Darrow Strauss)は、アメリカのジャーナリストであり、ピックアップアーティストとしてはスタイルの名で知られている人物です。
国籍はアメリカ合衆国ですが、市民権に関してはアメリカ合衆国に加えてセントクリストファーネービスのものも取得しています。
彼を有名にしたのはジャーナリストとしての仕事ではなく、凄腕ナンパ師の”スタイル”としての彼がどのような努力をし世界一のナンパ師(PUA、ピックアップアーティスト)になったのかを書いた著書「THE GAME」の出版でした。
アイキャッチ画像出典:wikipedia.org
出生~大学卒業まで
アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにて1969年3月9日に生まれたニールは、シカゴラテン高校を1987年に卒業後に名門ヴァッサー大学へ入学します。そしてコロンビア大学へ転学した後にそこを1991年に卒業します。
ヴァッサー大学もコロンビア大学も世界的に見てかなり上位に位置づけられることの多い名門大学であり、ニールがかなりの秀才であることがこの時点でわかります。
大学卒業後、物書きとしてのニール・ストラウス
大学在学中から既に物書きとしてのキャリアをスタートさせていたニールは、ニューヨークタイムスで音楽の批評記事執筆の誘いを受けてコラムを載せることになりました。
そしてその後、ローリングストーン社へと入社し、カート・コバーン(ニルヴァーナのボーカル)やマドンナ、トム・クルーズなどの特集記事の執筆を行います。
ローリングストーンでのカート・コバーンの最後についての記事や、ニューヨークタイムスでのエリック・クラプトンについての記事で賞を取ったりもしました。
この時点ですでに物書きとしてかなり優秀だったようです。これらの経験が後に執筆するTHE GAMEの大ヒットの布石になっています。
ナンパ師スタイルとして、THE GAMEの執筆から現在
ニューヨークタイムスを仕事の都合で去った2001年頃、彼はPUAコミュニティに参加しナンパアーティスト”スタイル”として活動を始めます。またペンネーム”クリス・パウエル”の名での執筆活動もこの頃から始まります。
2004年にはスタイルとしての経験をニューヨークタイムス紙に掲載、2005年にはベストセラーとなる”THE GAME”を執筆・出版しました。
THE GAMEはアメリカでの販売後すぐにニューヨークタイムスのベストセラーリスト1位になり、2005年の9月10月はそのポジションを不動のものとしていました。またAmazon.comでもすぐにランキング1位を獲得しています。
このことで一躍有名人となったニールはテレビやイベントに引っ張りだこになります。
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THE GAME出版後はPUAを引退し、ガールフレンドであるリサと暮らし始めます。リサの話はTHE GAMEの終盤で多く語られています。
ちなみにTHE GAMEはナンパの具体的手法に関しては乏しいのですが、それを補うために具体的手法を著した「THE GAME ~rule of the game~」(邦題:ザ ゲーム 30DAYS)も出版しています。
その後は自分の出版会社を立ち上げたりして出版活動を続け現在に至ります。
いくつかの書籍はベストセラーにもなっていますし有名な賞を取ったりもしています。
ナンパに関係のない著作でもベストセラーになったり賞を取ったりとTHE GAMEのヒットは彼の文才があってのものだということがわかります。
ニール・ストラウスという人物
THE GAMEの記述では165cm程度の身長で色白の細身、禿げかけの頭に回転草(西部劇で転がってるアレ)を乗せたような髪型でビン底メガネというのがナンパコミュニティーに参加する前の彼の見た目です。
回転草(タンブルウィード)
出典:wikipedia.org
師匠であるミステリーに「頭は剃れ、日焼けしろ、レーシックして眼鏡を外せ」といわれた結果が今のスキンヘッドの血色のいい白人親父というわけです。さすがに身長は変わっていないようですが。
モテないダメな奴の典型が元々の自分であるとしてTHE GAMEは書かれているため、ニールの良いところはあまり表だって書かれていません。
しかしミステリーのアドバイスをすぐに理解する頭脳と、それを行動へと移す行動力は他のPUAと比べてもかなりのものがあります。モテなかったのは少しのきっかけが足りなかっただけでニールに関してはかなりのスペックが元々備わっていたと推測できます。
人柄は人当たりがよく、男女関わらず誰に対しても敵対せず自分側に取り込む立ち回りに定評があります。THE GAMEでは誰からも信頼を置かれPUAグループ内での人間関係のバランサーとして活躍する場面が何度も描写されています。
THE GAMEについて
THE GAMEはチビでハゲた眼鏡親父だったニール・ストラウスが、いかにして世界的ナンパアーティスト”スタイル”へと変貌を遂げ、そしてどのような活動をしていたかという内容の本です。
具体的なナンパ手法や心理学などの記述もありますが、全体としてみればノンフィクションドキュメンタリーという部類の書物になります。
実践的な手法については同作者の「ザ ゲーム 30DAYS」や、スタイルの師匠であるミステリーの「口説きの教典」の方がお勧めです。
ちなみにThe Gameには著名人としてブリトニー・スピアーズやコートニー・ラブ、パリス・ヒルトンが口説き落とされる様子が記述されていますが、彼女たちとはセックスを行わなかったことになっています。
実際にそうだったのか大人の事情によるところなのかは非常に気になるところですが、真相はスタイルの胸の中です。
ミステリーとの関係
ミステリーはスタイルの師匠であると同時に親友です。詳しくはTHE GAMEを読んでいただければわかりますがネット上には2人の仲がよさそうな写真がそこそこあったりします。
スタイルはアメリカ人としては小さめの165cm程度、一方のミステリーは190cmを超える大男ですから二人が並ぶとかなりの身長差があります。
彼らのこの派手な格好はピーコックセオリーというミステリーの理論に基づく理由のある服装です。具体的にどんなものなのかは文章からはあまり想像できませんでしたが、実際の彼らの写真を見ると分かりやすいですね。
スタイルやミステリーのコミュニティを見たジャーナリストは「彼らは女性についての理解を深めることよりも、PUAコミュニティで集まり、仲間とゲームについて語り合う時間を重要視しているように見える。」と言っています。
同じ目標を持つ仲間同士との語り合いは、本来の目的である女性との空間よりもさらに心地よい空間を作り出していたのかもしれません。